ポートレート撮影で「自然体」を”演じる”ということ
プロフィール写真のご依頼の際は”自然な姿を撮影して欲しい”というご要望が少なからずあります。
スタジオ撮影という「演出」の場で自然な姿をというのは矛盾があるのですが、心情はわかります。
カジュアルフォトや生前遺影のように、いまのご自身の姿を残すことが目的ならばそこを深追いしても良さそうです。
ただし、当店でご依頼の多い宣材写真・ビシネスポートレートの場合、事情が変わってきます。
その肖像写真がどんな風に映るか、さらには撮影の目的に合っているかという問題があるからです。
強いて言えば”自然にみえるように撮影する”ということになります。そのように演出すると同時にモデルさんも演じなければいけません。共同作業です。
もしカメラを意識していないように撮影したとしても、そこには”意識していないポーズ”が残るだろう…昭和の大写真家 土門拳さんもそんなことをおっしゃっていました。
モデルさんには自然体を演じていただくことになりますが、撮影の経験値ややモデルさんの個性、性格などによってその演出も変わります。そこをどんな風に撮影するか、今日はそんなお話です。
経験豊富なモデルさんの場合
表情の変化が豊かなモデルさん。キリッとした表情からしっとりとした雰囲気、さらには活き活きとした笑顔までどこを切り取っても素敵。
でも、手の表情や顔の角度、向き、脚や腕のみせ方と細かい仕草を変えながら撮影を重ねます。経験豊富なモデルさんほどシビアに要求します。リピーターさんからは「鬼!!」と言われますが、名誉なことです(ん?)。
あれこれ細かいことを言うので、その分コミュニケーションが重要になります。良いときはそれを伝え、良くないときはどんどん変えます。良くもないのに素敵といえばモデルさんを惑わせてしまいます。
セレクトは迷いましたが、存在感を大切に選びました。
一瞬を逃さない
笑顔が苦手なモデルさんのカジュアルポートレート。
無理に笑わせるのではなく、表情が現れるのを待ちます。ほんの一瞬を逃さない。
ほんのつかの間、時間にしておそらく1/250秒といった瞬間ですが、撮影者はその一瞬を大切に生きています。
シンプルな佇まいが存在感を引き出す
あまり慣れていないモデルさんにもポージング指導をギュッと詰め込んで撮影していますが、モデルさんのもつ素材感を活かしたほうが良い場合もあります。
事実、シンプルな佇まいのポートレートはモデルさんの存在感を引き出します。これはどんな撮影でもかならず押さえています。マストショットですね。
スタイルをより良く見せるためのベーシックなポージング。細かいところを一つ一つお直ししながらの撮影です。
投稿者プロフィール
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フォトグラファー(フォトマスターEX)・ビデオグラファー・終活カウンセラー1級
立教大学卒業後広告代理店・リゾート勤務を経て2008年独立
宣材写真・ビジネスプロフィール写真・婚活写真など日常的な人物写真のスタジオワークをメインに活躍中 ミスコン・ミセスジャパン、ダンス・音楽イベントなどの公式撮影、各種オーディションの撮影経験豊富
会社勤めの経験も豊富。就活のアドバイスやビジネス向けのパーソナルブランディング、映像・写真・WEBを活用した視覚的な広告・営業戦略が得意です。出張撮影、映像制作、ホームページ制作おまかせください
終活カウンセラーとして「終活サポート ワンモア」を主宰。異業種提携による終活のお手伝いの傍ら終活講座やカルチャー教室などミドル~シニア世代向けのイベントを企画開催しています
日光国際音楽祭® 公式カメラマン
ミセスジャパン2020栃木選考会公式フォトグラファーほか
終活サポート ワンモア主宰
終活カウンセラー1級
エンディングノートセミナー講師養成講座修了(終活カウンセラー協会®)