【コラム】不当な値引き要求を考える…仕事は権利関係の切り売りだ

「ついでに」「パパっと」「同じ料金で」撮れません 撮りません 証明写真とポートレートは異なります

証明写真の料金で婚活写真などのポートレートを撮影して欲しいというご要望が(ごくまれに)あります。よくお話を伺うと「証明写真と同じ程度の写真でいいから」ということなのですが、ポートレート撮影はプロセスも手間も、もちろんそれらに伴い料金体系も、すべてにおいて証明写真とは異なりますので、そういったご要望には添いかねます。あしからずご了承ください。

そのように申し上げると「パパっと撮ってくれればいいんだからやってよ!」みたいなことを言われますが、もしご要望どおりにパパっと短時間で撮影しても料金は変わりません。それは例えばレストランで「300円しかもってないから、それで見合ったものをパパっと簡単に作ってよ」「手間をかけないで家庭料理みたいなものでいいから安くしてよ」って注文するようなものです。

そもそも、当店は肖像写真を「パパっと」いい加減に撮るような仕事は一切いたしません。もし時間の制約があってもそのなかで全力を傾け、精一杯の仕事と成果を提供することを大切にしています。先ほどたとえ話にしたレストランのシェフも同じような判断をすると思います。

 

仕事は錬金術ではない 権利関係の切り売りだ

店舗業務以外…B to Bの現場でも、契約にない事項を「ついでに」と盛り込まれそうになることがあります。いわゆる「後出しジャンケン」ですが、これも違反です。マナーやエチケットの問題ではなく、契約に反しているということなのです。

クリエイティブの仕事には無から有を生み出すところはありますが、錬金術ではありません。制作は技術、手間、知識、経験…それらのいわば量り売りです。これは、法的にみれば権利関係の切り売りと換言できると思います。

考えてみれば、そもそも商売というものは権利関係の切り売りかもしれませんね。例えば販促用に映像を提供するというのは著作権の限定解除といえると思います。しかし、それを同業他社が無断で二次使用するとなれば違法性を帯びてきます。というより、明白な権利侵害で、訴えられても仕方がないところでしょう。
著作権侵害は10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金

撮影した写真や制作した映像・フライヤーの制作代金を頂いても、制作物そのものの所有権や著作権といった権利関係まで売り渡しているわけではありません。そうした権利そのものを販売することはありますが、それはそれに見合う報酬と意思表示(合意)があってのことなのです。また、料金体系や営業方針を曲げて目の前のニンジンに安易に飛びつくのは、正規料金をお支払い頂いているお客様への裏切り行為でもあると思います。

 

公平であるために、提供したいものを守るために方針は生まれる

私どもにも経営方針というか決めごとはあって、そのひとつは「価格決定権のない仕事は原則的にしない」というものです。そこには「安易な値引き要求も受けない」ことも含まれます。公平な商売をするための必要条件かもしれません。公平であるために、提供したいものを守るために方針は生まれ、方針を守ることで顧客も商売も守られる。そんな風に考えております。

こういったこと、実は映像や写真・広告業界の間ではよく話題になることなのですが、あえてする話でもないかと思いこれまで取り上げずにきました。ですが、自身の取り組みや考えについて、言いにくいことも含めきちんとお伝えするのも時に大切なことかと思い、発信することにしました。

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投稿者プロフィール

今井 賢司
今井 賢司プロモーションオフィス リバーシ 代表
フォトグラファー(フォトマスターEX)・ビデオグラファー・終活カウンセラー1級

立教大学卒業後広告代理店・リゾート勤務を経て2008年独立
宣材写真・ビジネスプロフィール写真・婚活写真など日常的な人物写真のスタジオワークをメインに活躍中 ミスコン・ミセスジャパン、ダンス・音楽イベントなどの公式撮影、各種オーディションの撮影経験豊富

会社勤めの経験も豊富。就活のアドバイスやビジネス向けのパーソナルブランディング、映像・写真・WEBを活用した視覚的な広告・営業戦略が得意です。出張撮影、映像制作、ホームページ制作おまかせください

終活カウンセラーとして「終活サポート ワンモア」を主宰。異業種提携による終活のお手伝いの傍ら終活講座やカルチャー教室などミドル~シニア世代向けのイベントを企画開催しています

日光国際音楽祭® 公式カメラマン
ミセスジャパン2020栃木選考会公式フォトグラファーほか
終活サポート ワンモア主宰
終活カウンセラー1級
エンディングノートセミナー講師養成講座修了(終活カウンセラー協会®)

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