亡きご主人の命日に出てきた一枚のポラロイド …「お父さん、格好良くしてもらって喜んでるわ」と老婦人は言いました

亡きご主人の命日に出てきた一枚のポラロイド

ご年配の女性がふらりとお立ち寄りになり、封筒からスーパーのレシートと一緒に色焼けしたポラロイド写真を取り出しました。

「この写真を仏壇に飾るから、きれいに焼き直してくれる？」

お話を伺ったところお若くして亡くなったご主人の、今日が命日だそうで、ちょうど往年の御写真が出てきたということでした。

昔々の写真ではありませんので破損などはありませんでしたが、全体に色焼けが進行し黄ばみもかかっていましたので、綺麗にしましょうとご提案。

スキャンして画像処理、明るさとカラーバランスをとりなおし、プリント。まだお若い故人の肖像にセレクトさせていただいた、少しカジュアルな雰囲気の木製フレームがよく似合いました。

「お父さん、格好良くしてもらって喜んでるわ」と老婦人は言いました

命日にこんな風に格好良くしてもらって、よかったね～、お父さん。

仕上がったフォトフレームに何度も語りかけるのを聞いて、嬉しいのと同時に切なくもありました。

写真は未来への贈りもの、そんなことを再三申し上げていますが、後で探してみると意外と良い写真ってなかなかないものです。

特に日常の写真ってなかなかないんです。何かの記念日だとか旅行先ではカメラを向けても、普段はそうじゃないんですね。

七月六日はサラダ記念日

『この味がいいね』と君が言ったから　七月六日はサラダ記念日…俵万智さんのあまりに有名な歌ですが、日常の中にこそ記念すべき祝福すべき瞬間は無数に存在するのだと思います。

だから、どうぞ、日常を撮影してください。毎日暮らしたご自宅、お気に入りの茶碗やシャツ、共に暮らしたペット。そういった、生活風景を活写するのも家族や親しい同士のコミュニケーションだと私は思っています。

今回修復した写真はご自宅でお酒を楽しんでいるような、自然でやさしい笑顔が印象的でした。これぞ未来への宝ものだと思います。

そして、写真館で撮影する写真は皆さん大切に保管されると思いますが、ご自身で撮影したプライベートの御写真も同様に大切にして欲しいと思います。

サラダ記念日が命日の、故人のご冥福を祈る夕暮れです。

 

遺影修復・制作は
▶️フォトスタジオ リバーシ 　028-680-5635
栃木県宇都宮市滝谷町6-7 コボリ洋菓子店さん隣 駐車場あります