『なすから寺活』にみるウィズコロナのスモールコミュニティ

なすから寺活友人の大橋尚子さんの企画で那須烏山(なすからすやま)市にて「寺活」が催されました。寺活というのはお寺での体験修行といったもので、近年特にミドルエイジの女性に人気です。那須烏山で寺活ということで「なすから寺活」というイベントです。

”修行”と聞くと広島カープファンの私は顔を火傷で腫らして炎に立ち向かう新井選手(護摩行ですね)の姿をまず連想してしまいますが、そのような厳しいものではありません。寒中滝に打たれることもありません。

今回の寺活は「お寺でヨガと坐禅を体験し、有り難いご法話を拝聴する」という趣旨です。終活支援チームを運営する立場から非常に関心があり、参加することにしました。

私が主宰している「終活サポート ワンモア」は、相続や遺言といったお金や法律の話だけでなく、「あなたの終活に楽しいこと、素敵なことをもうひとつ」という願いを込めて「ワンモア=もうひとつ」という団体名にしました。寺社参拝を含めた「寺活」はいずれ取り上げたいと思っていたところです。

実際、ちょうどこの企画が立ち上がった前日に開催していた終活セミナーで写経や坐禅体験といったイベントもいずれ取り組んでみたいという話をしたばかりで、セミナーの聴講者の皆さんも関心を寄せていたテーマでした。不思議なご縁ですが、互いに引き寄せ合うところがあったのでしょう。

 

なすから寺活 その壱:ヨガで身体と対話する

私は身体が固いので、ヨガと聞いてご迷惑にならないか少し心配でした。もうひとつ、ヨガってなにか高尚で難解、そしてスピリチュアルなイメージもありましたね。

でも、(体験レッスンだからそんなことないでしょう)という軽いノリで当日を迎えました。

ヨガのレッスンを担当するのはシンガーソングライターでもあるLaugh(ラフ)さん。以前にもさくら市での駅前ライブの様子をご紹介したことがありますが、実はヨガインストラクターとして毎朝「親父ヨガ」というヨガのレッスンを開いています。親父ヨガ主宰の和嶋さんとの共同開催でした。

Laughさんのヨガは「癒やしのヨガ」。ヨガ初体験の私はこれで合っているのかとつい左右の人たちと見比べてしまうのですが、周りは関係なく自分自身と向き合うことが大切とのことです。そして、自分の状態を確かめ、大切にしてあげること、愛してあげること。なるほど、そのように意識を向けることで普段の生活や身体にかかっている負担といったことにも想いが到り、自身を知る、そして癒すための大切な時間になりました。

また、身体を緩めてあげることも大切で、しっかり動かしたからこそ緩めることに意味があり、その逆もまた然り。

そんな風に丁寧に時間をかけていまの自分の状態を知ること、そのことで今後どうしたらよいかを考える。私にとってはそんなヨガ初体験でした。

なすから寺活 ヨガ

 

なすから寺活 その弐:法話と坐禅で心を整える

お寺は大雲山光隆院芳朝寺(以下、「芳朝寺」)。開基は弓の名手として知られている那須与一の長兄、那須太郎光隆と伝えられているそうです。高台に在って静謐の中に歴史が眠っている、そんな由緒ある曹洞宗のお寺です。

少し調べたのですが、曹洞宗の坐禅は何かの目的のための手段として坐るのではなく、坐禅そのものが目的でただひたすら坐ることに打ち込むという厳しいもの(本来は)らしいです。

坐禅って長い板のようなものでビシッと叩かれるイメージですが、あれはもちろん気合を入れているわけではなく集中が乱れてきた人に対し警告をするという意味合いのようです。

あの長い棒は「警策」(曹洞宗では”きょうさく”)といいます。今回の坐禅会は15分と時間が限られているので、希望者のみ「警策体験」ができるとのことでした。写真は警策の説明を受ける場面でモデルは私です。このあとの本番でも実際に警策をお願いしました。

なすから寺活

ところで、坐禅というのは目をとじて瞑想するものだと思っていたのですが、目は閉じずに斜め45度下方をみつめ「半眼」にて雑念を排し無の境地に至るということでした。半眼は半分目を閉じている状態で、仏さまは多くそのような表情をされています。半ば己の外を見つめ、半ば己のウチを見つめるといった所作かと思われます。

ひとつここで気づいたのは、そういった所作や動きのなかに意識、行動の意味や裏付けがあるということで、このあと和嶋さんから呼吸や姿勢と身体や心のつながりといったお話を伺ったときに見事にリンクしました。

坐禅会の15分はあっという間に過ぎて、私は警策をお願いしたり撮影したりしているうちに終わってしまったのですが、皆さん集中されていたようで「あっという間だった」「心が静まり返った」といった感想が聞かれました(ちょっと反省)。

その後ご住職の大成正芳さんからのご法話がありました。駒沢大学で駅伝に打ち込んだ青春をお持ちのご住職は、明るく気さくなお人柄で、ご自身のお父上との思い出話のなかでコロナの時代をどんな風に生きるかといったお話をされました。形式張ったお話ではなく、身近に感じられるお話で、心に沁みてくるようでした。

 

なすから寺活

 

なすから寺活 その参:ウィズコロナ時代のコミュニティを考えた(個人の感想です)

寺活を終えて胃も心も無になった一同は懇親会の会場「クローバーステーキハウス」さんに向かいました。地元では有名な人気店で料理も接遇も素晴らしい名店でした。

不思議と皆さん個性的な方ばかりで、笑いが絶えない会場は寺活の打ち上げというより異業種交流会のような雰囲気でもあり、楽しい時間となりました。

 

人との接触を減らそうというこの時代に、こんな風に素敵なご縁に恵まれるというのは「有り難い」ことだなと思いました。

このコロナ禍に於いては、こんな風に小さなイベントや少人数のグループが構成するスモールコミュニティの時代だなと思いました。

何か派手なことをする、著名人や流行に乗っかる、インスタ映えを演出するといった「人寄せ」ではなく、楽しそうなことや賑わいの中に人が少しずつ自然に集まってくる。そして、そこにコミュニティが形成される、そんな時代じゃないかと思うのです。

なすから寺活

 

ただ、気をつけたいのは、昨今の世の中は同質的なコミュニケーションに傾きがちで、自分と価値観の異なる人や考えを安易に排除する傾向にあって、ネット社会などはその典型だと思っています。結果として、自分の視野、思考回路が拡がりにくいものになっています。さらにパンデミックで家にこもっていたのでは、経験もできないですよね。

今後考えなきゃいけないのは、居心地の良さに甘えないということ。摩擦を恐れないということ。異質なもの、知らないことを求めて出かけてみませんか。そんなことを訴えていきたいと思いました。

 

そして、私も終活の普及といったテーマを通じて、賑わいやコミュニティの形成とともに「人生をより良く生きる」「世代間の断絶を緩和していく」ということを訴えていきたいな。自然とそのように思いました。

 

番外編:私の「なすから」

主催者からはなぜ寺活に参加したかといったリサーチと併せ、ほぼ市外からの参加者である我々から見た那須烏山の印象などを聞かれました。

那珂川夕景 那須烏山市

PHOTO:夕景 那珂川にて

 

那須烏山市は主催者である大橋さんのお住まいのある町で、那珂川という美しい川が滔々と流れる緑豊かな美しい町です。

PHOTO:龍門の滝にて

ユネスコの無形文化遺産に名を連ねた「山あげ祭」が有名ですが、洞窟を酒造りに活用していたり、烏山和紙という伝統文化も遺されていたり、知られざる文化がひっそりと息づいている、そんな町でもあります。

ただ、そういった魅力はあまり知られていないです。私も今回このイベントに参加するためにリサーチをして初めて知ったことがたくさんありました。

 

洞窟のある酒蔵見学や趣味の山歩きなどを通して那須烏山市の魅力をご紹介したいと思います。もちろん、終活も。お寺でエンディングノートや生前遺影についてお話してみたいですね。

現地で初めて知ったのですが、芳朝寺には「ぽっくり地蔵」が祀られていて、これもまた重要な終活コンテンツでした。機会がありましたら、ご住職に詳しいお話を伺いたいものです。皆さん、那須烏山でまたお会いしましょう。

 

那須烏山 芳朝寺 ぽっくり地蔵

 

 

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投稿者プロフィール

今井 賢司
今井 賢司プロモーションオフィス リバーシ 代表
フォトグラファー(フォトマスターEX)・ビデオグラファー・終活カウンセラー1級

立教大学卒業後広告代理店・リゾート勤務を経て2008年独立
宣材写真・ビジネスプロフィール写真・婚活写真など日常的な人物写真のスタジオワークをメインに活躍中 ミスコン・ミセスジャパン、ダンス・音楽イベントなどの公式撮影、各種オーディションの撮影経験豊富

会社勤めの経験も豊富。就活のアドバイスやビジネス向けのパーソナルブランディング、映像・写真・WEBを活用した視覚的な広告・営業戦略が得意です。出張撮影、映像制作、ホームページ制作おまかせください

終活カウンセラーとして「終活サポート ワンモア」を主宰。異業種提携による終活のお手伝いの傍ら終活講座やカルチャー教室などミドル~シニア世代向けのイベントを企画開催しています

日光国際音楽祭® 公式カメラマン
ミセスジャパン2020栃木選考会公式フォトグラファーほか
終活サポート ワンモア主宰
終活カウンセラー1級
エンディングノートセミナー講師養成講座修了(終活カウンセラー協会®)

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